公益財団法人 日本交通管理技術協会
 
調査研究開発
調査研究開発TOP
調査研究開発事業計画
調査研究開発実施結果
ベースの作成及び提供
  交通管理リンクによる道路
   区間や地点を特定する方式
  交通管理リンクデータ
   ベースの作成・更新
  交通管理リンクの利用
交通管制センターの設計
技術情報
「信号機なんでも読本」および「警察によるITS」の頒布
位置情報の提供
交差点の位置情報等の提供
特定商取引に関する表記
 
 
 
 
 
 

交通管理リンク(UTMSリンク)データベースの作成及び提供

 当協会では、道路交通情報を提供する場合に、道路の区間や地点を特定することができる交通管理リンクデータベースを都道府県警察と協力して作成し提供しています。
 交通管理リンクは、都道県警察の交通管制センターで把握している交通渋滞情報を個々の車でも表示できるようにするために開発したもので、まず、大都市圏や大規模イベント開催地向けに作成しました。その後、VICSシステム(道路交通情報通信システム)のエリア拡大に伴い、現在では全国分を作成しています。

・交通管理リンクにより道路の区間や地点を特定することができます

 交通管理を行っている都道府県警察の交通管制センター等から、一般道路の道路交通情報等を提供する場合、その位置をデジタル道路地図の上に進行方向別に表示させることが効率的です。
 交通管理リンクは、このために使用する道路の区間をデジタル道路地図データで定義したもので、標準地域メッシュ(10km四方)の番号と付与したリンク番号により、方向を持った任意の1区間を特定することができます。(図1)

図1 交通管理リンクの構成
図1 交通管理リンクの構成

 このため、道路に沿って、上り方向、下り方向といった別々の情報表現ができることが特長です。さらに、リンクの終端からの距離等を使うことにより、リンク内の任意の区間や地点を特定して情報を表示することができます。(図2)
 また、この方式では、異なるデジタル道路地図でも交通管理リンクと関連づければ、同じように情報を表示することができます。
 一般道路以外の高速道路等においては、交通管理リンクと同一方式の統合リンクデータベース((一財)日本デジタル道路地図協会(DRM協会)管理)が作成されています。

図2 交通管理リンクを使った情報の表現例
図2 交通管理リンクを使った情報の表現例

・交通管理リンクデータベースを最新のものにしています

 交通管理リンクは、全国の国道、主要地方道および都道府県道に設定することにしていますが、これらに加えて、各都道府県警察が、交通管理者として交通規制の実施や交通情報提供等に必要とする道路区間に対しても設定しています。
 交通管理リンクデータベースは、平成29年度末現在で、全国約36万1千区間を収めて作成していますが、当協会では、毎年、都道府県警察の交通管制センター等の交通管理者の協力を受けて、交通管理に必要な交通管理リンクの新規設定と修正を行っています。
 また、日本の道路は、新設・改良等により毎年約2,000kmの増加があるため、基本としているデジタル道路地図データ(DRM協会作成)が毎年更新され、これに対応して、交通管理リンクデータベースの該当箇所の修正も毎年行っています。
 さらに交通管理者が道路管理者と協議して、道路管理を考慮して設定している地域もあります。

・交通管理リンクが利用されている分野

 交通管理リンクは、JARTIC(日本道路交通情報センター)やVICSシステム(道路交通情報通信システム)の道路交通情報の提供に利用されていますが、平成29年度からは、全国の都道府県警察が断面交通量を計測している地点制御情報を提供している信号交差点をデジタル地図上に表示して提供することにも使用されています。

1 VICSシステムにおける交通管理リンクの利用

(1)道路交通情報提供の流れ

 全国の都道府県警察、国土交通省等の道路管理者や道路事業者からリアルタイムで提供される道路交通情報は、(公財)日本道路交通情報センターに集約されます。
 これらの情報を(一財)道路交通情報通信システムセンター(VICSセンター)は、FM多重放送、光ビーコン、電波ビーコンを通じて、道路利用者に提供していますが、道路交通情報が道路上のどの場所であるかを特定して、カーナビの画面に表示するために、交通管理リンクを基本としたVICSリンクが使われています。(図3)

図3 VICSリンクによる道路交通情報提供例 出典:VICSセンター提供
図3 VICSリンクによる道路交通情報提供例 出典:VICSセンター提供

(2)VICSリンクデータベースの作成及び提供(図4)

 VICSシステムでは、道路交通情報の道路上での位置を特定するためのしくみとして、VICSリンクデータベースを用いています。
 このVICSリンクデータベースは、一般道路用には当協会が作成・管理している交通管理リンクデータベースを使用し、高速道路用にはDRM協会が作成・管理している統合リンクデータベース(全国約2万2千区間)を使用して作成されています。
 VICSシステムから直接道路交通情報を受信しているシステム、カーナビ、カーナビ用の地図等に、このVICSリンクデータベースが組み込まれています。
 このVICSリンクデータベースも、交通管理リンクデータベースおよび統合リンクデータベースの更新により毎年更新され、道路交通情報が適切に伝達できるようにしています。

図4 VICSリンクの構成
図4 VICSリンクの構成

2 断面交通量計測地点の位置情報等の提供における交通管理リンクの利用(図5)(図6)

 全国の都道府県警察が車両感知器などの計測機器で収集した断面交通量に関する情報や信号機のサイクル長・スプリット値等の交差点制御情報を警察庁が取りまとめ、(公財)日本道路交通情報センターが提供しています。
 これらの計測地点や信号交差点の位置は、「交通管理リンク番号」を基本として表現されていますので、当協会が交通管理リンクデータベース等を使って、これらの地点等をデジタル地図に表示して提供しています。

図5 断面交通量情報提供における交通管理リンクの利用
図5 断面交通量情報提供における交通管理リンクの利用

図6 交差点制御情報提供における交通管理リンクの利用
図6 交差点制御情報提供における交通管理リンクの利用


サイトマップ お問い合わせ